銀座長野でテールドシエル*ボスケソ ダブルペアリング ― 2025/03/24
銀座長野の2階で、超お久しぶりにワイン行事が行われた。
なんと、佐久市のボスケソチーズラボの是本さんと、テールドシエルの桒原さんのコラボイベント。
勿論企画は斎藤富士子マネージャー。
ボスケソさんの5種類のチーズに、夫々2種類のワインを合わせてみる・・というペアリング企画なのだが、そうするとテールドシエルのワインが10種類もいただけるということ??お得感この上ない。
会はお二人の紹介、チーズとワインのペアリング試飲食、そしてワインの販売という順で進行。
まずはテールドシエルの桒原さんから。
テールドシエルは、2015年に桒原さんの義父である池田氏によって創立、900m~950m前後の標高の高い地域に畑を持つ。
そして、個人でやるならだいたい1haくらいの規模が相場のところ、畑を3.3ha既に持ち、来年には5haまで拡大の予定だとか。
桒原さんは2020年、義父がワイナリーを立ち上げるタイミングで醸造責任者として参加したが、その時の条件が「野生酵母での醸造」だったそうな。
現在は赤はヨーロッパ系品種のみだが、比較的多品種を栽培している。現在まだどれが土地に適した品種か決め切れていない。ポテンシャルを狭めたくないので、好きなものを植えている最中、10年単位で考慮・検討中。
ご本人は、“畑が95%、醸造が5%”、のつもりでいると。醸造といっても、どちらかと言えば“見守り”。なるだけ畑に毎日入って、葡萄の些細なところをみていきたい、手をかけること、かけないこと、観察して考えている。葡萄の背中を押す、傍にいる、イメージ。葡萄に出来るだけ負担をかけないよう、ポンプを使わないグラヴィティフローを行っている。
葡萄に付着している土地の酵母に執着していきたい、テロワールを出すためには、なるべく待つようにしている。食事と寄り添って完成する、優しいワインを造りたい。どんなものが??をずっと追求し続ける!
今回のワインは赤多め。テールドシエルは畑は白系が6割と多いが、2023年は白の生産量が少なかったためそうなった。
(醸造で気を付けていることは?の質問に)仕込みの温度管理・環境作りがとても重要かと思っていると。
醸造期間中は寝袋を持ち込んで傍で見守るようにして居られるそうな。
続いてボスケソチーズラボの是本さん
ボスケソチーズラボは、2015年スタート。Hondaのエンジニアで栃木にいた是本さんが、チーズ好きが嵩じてチーズ造りを学び始め、ついには標高900m程の蓼科地域に移住して創立した。ご本人は九州人だが、妻の実家が長野県で、移住に賛同を得やすいのもあって?!長野県に決めたのだとか。ここ東信地域はアトリエドフロマージュが40年前からあり、チーズ文化が既に根付いていて、とてもやりやすかった。長野県らしいものは何かと追求中、特に佐久の日本酒蔵とか、そこにあるものを出来るだけ使いたい。チーズに旨みがあると色々合わせやすい。
チーズは乳の品質で7~80%決まると考えており、チーズは地域の食の職人を繋げる。みて楽しんで、食べて楽しんで、地元のお酒と合わせて楽しむ、がモットー。土地のワインはその土地の料理に合う。
“ボスケソ”は、森のチーズ、というスペイン語の造語。
牛乳は、隣町の御牧ケ原の小林牧場のものを使用。きれいな牛乳を作られるかた。もともと夏は青草を食べて暴れた乳になり秋になると安定し、となるものだが、ここは季節を問わず品質が安定している。羊乳は、佐久市の長門牧場から分けてもらっている。
テールドシエルでグラヴィティフローの話が出たが、チーズも、いいものを造りたかったらポンプを使うなと言われている。原材料ににストレスを与えないように考えるのはチーズもワインも同じ。
・・・圧力がかかって濁流にもまれて、ホースの壁に激突して、葡萄/乳の組織が壊れてしまう・・・という事のようだにゃ。。。
チーズ造りを始めた時、乳をわけてもらうのが一番大変だった。今はようやく落ち着いて、ブルー以外は全て造っており、やっとハードが安定して造れるようになってきた。将来は羊のチーズも造りたい。
(新しいものはどうやって作る?の質問に)まず設計図を思い描いてから作っている。科学的な構図を身につけて、その後に感覚的なものを合わせていく感じ。
チーズ皿が到着。
(え、これだけ??)
添えたパンの隣に5種類。全て牛乳チーズ。
A) MIMAKI(Kimoto) ・・ 酵母熟成のソフトチーズ。白色。皮が厚めで中は軟らかで味濃いめ。
B) MOCHIZUKI(Spec-R) ・・ 白カビチーズ。白色。レンネット凝固でちょっと固め。味は薄め。
C) KARAMATSU(Chatora "GURA")・・ 固めのチェダーチーズ。マーブル模様で、ご本人“一番愛着がある”チーズだと。このチーズおいしい。今度見かけたら買おう。
D) KASUGA(Small) ・・ 酸凝固のウオッシュチーズ。薄黄色。作り方はAと同じだが、ph9.6の春日温泉の温泉水でウオッシュしている。中は滑らかで、徐々にクリーム化して旨みが出てくる。ウオッシュだけど匂いはそれほどきつくないので、うまみだけを楽しめる。
E) NIRE ・・ 加熱圧搾のハードチーズ。白色。食べやすい。熟成してくるとフルーツ感が出てくる。赤でも白ワインでも。 固すぎないので、豊かな味わいを楽しめる。
ワインはプラカップで供されて、銘々2脚のワイングラスでいただきます。
赤ワインはボトルがカウンターに出ていたので写真がありますが、白ワインは出てなかったので撮影できませんでした。(:_;)
チーズAと合わせたのはこのワイン。
🍷ルヴァン 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:シュナンブラン60%、リースリング40%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
香り爽やか、酸適度。軽やかでフルーティな味わい。チーズ(A)と合わせたら味わいが濃くなったような。
ライトボディなのは古樽6カ月熟成由来?少し蜂蜜感あり
🍷ソーヴィニヨンブラン アンベトン 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ソーヴィニヨンブラン100%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
香りどっしり。酸味がやや強め。口当たりにピリ感少し。味わいはしっかり。
チーズ(A)と合わせるとこっちは少し爽やかに。
卵型コンクリートタンクにて7カ月発酵熟成。コンクリートタンクなので葡萄本来の果実味が感じられると思う。酵母感あり?
チーズBと合わせたのはこのワイン。
🍷シャルドネ 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:シャルドネ95%、サヴァニャン5%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
落ち着いた香り。酸味は適度。口当たりはやわらかで充実感。チーズBと合わせたら、フルーティー感がアップした。
シャルドネの酸が少し弱めだったので、5%のサヴァニヤンで補っている。3年目の古樽で発酵、7カ月樽熟成。
🍷ルオワゾ 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:カベルネ・フラン55% 、メルロー45%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
香りはさわやか。酸味は適度。少し苦みのある果実味。チーズBと合わせたら、少し甘味が出ておいしい。
ファイバータンクで醸し発酵し10か月樽熟成、酸が落ち着いた。寝かせたほうが良くなる印象。
チーズCと合わせたのはこのワイン。
🍷ラフルール 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ピノグリ75% 、ピノノワール25%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
色は淡い。オレンジワインっぽい香り。口当たりはやわらか。
ふくらみのある味わい。チーズCと合わせたら、酸味が少しアップ(控えめから適度へ)した。
2023年は醸したピノグリ75%でファイバータンク醸し発酵、6カ月樽熟成。ピノグリ由来の淡い色合い。
🍷ピノノワール ペディセル 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ピノノワール100%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
色はやや淡い。香りはやわらか。酸味は適度。
やわらかな優しい味わい。味わいのベースに軽い苦渋味。
チーズCと合わせたら、味わいの厚みが増した。
ぺデイセルは梗のこと。2023年は完熟までもっていけたので、葡萄の梗を70%混ぜてステンレスタンクで醸し発酵、6カ月樽熟成。
チーズDと合わせたのはこのワイン。
🍷ピノメルロー 2022
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ピノノワール50%、メルロー50%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2022
少し花のような香り。酸味は適度。以前いただいた時より酸味がマイルドになったかな。やわらかな味わい。
チーズDと合わせて甘味が出た。
2022は秋の雨が多くてピノノワールは軸まで完熟せず色付きが良くなかった。ピノノワールは除梗しメルローは全房発酵、別々にファイバータンクで発酵させブレンドし9か月古樽熟成。線が細くて弱い。
🍷ピノノワール 2022
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ピノノワール100%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2022
香りはほのか。酸味やや強め。こいつの酸味はまだまだ健在のようで。優しい味わい。
チーズDと合わせて甘味が出たが、酸味は納まらない。
醸したピノノワールをファイバー、イノックス、卵型コンクリートタンクにて発酵、その後古樽にて9か月熟成。
チーズEと合わせたのはこのワイン。
🍷ピノノワール 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:ピノノワール100%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
バランスの良い芳香。口当たりにほのかな甘み、酸味は適度。優しい味わい。
チーズEと合わせて、フルーティさが増したような。
ファイバータンクにて醸し発酵、その後6か月樽熟成。全房比率を下げ20%にて対応。
🍷シラー 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄種類:シラー100%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
濃密な香り。口当たりはしっかり。酸味は適度。軽い苦渋味を伴った厚みのある味わい。
チーズEと合わせて、味わいに柔らかさが出たかな。
ステンレスタンクで醸し発酵、10か月樽熟成。テールドシエルでシラー100%は初。全て除梗し、酸味が高いが色が良く出ている。全国で一番標高が高いシラーだと自認している。
飲んだ日:2025年3月22日
銀座長野 追いサーバー ― 2025/03/24
銀座長野のイベント終了後、ワインサーバーにテールドシエルがセットされているところを覗いてみた。
🍷農花 糠地ロゼ 2022
種類:ロゼワイン
ワイナリー:農花 (委託醸造:テールドシエル)
葡萄品種:ミューラートゥルガウ??%、シャルドネ??%、カベルネフラン20%,バッカス15%,他にケルナーやヴィオニエも少量
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2022
何度かいただいたことのある糠地ロゼ。キリっとしたロゼで結構ですよね。
🍷テールドシエル シエルブラン 2022
シエルブラン2022
種類:白ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄品種:シャルドネ70%・ピノノワール30%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2022
シャルドネとピノノワールの白ワインをシエルブランと言っているようですね。ヴィンテージによって比率は変わるみたいですけれど。
🍷テールドシエル ル・オワゾ 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:テールドシエル
葡萄品種:カベルネフラン55%、メルロー45%
葡萄産地:長野県小諸市糠地地区自社畑
ヴィンテージ:2023
会場でもいただいたし、買って帰れた奴。ピノノワールが入ってない方がワシの口には合うのかも。
2021のルージュはすでに売り切れていた・・・
飲んだ日:2025年3月22日
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