塩尻ワイナリーフェスタ その32025/05/22

続き、これで最後です。

傘が何度もおちょこになる暴風雨が連続する中、サンサンワイナリーへ。

幸いなことに、レストランボッテガが営業していたので、遅い昼食をいただくことにした。祝再開。

お食事は前払いで注文して席へご案内。ワインは試飲カウンターで購入?!して持ってくるというシステム。謎だが喜んでカウンターを訪問した。
ワインメニュー


🍷シャトーサンサンメルロー 2019
シャトーサンサンメルロー 2019
種類:赤ワイン
ワイナリー:サンサンワイナリー
葡萄品種:メルロー
葡萄産地:長野県塩尻市
ヴィンテージ:2019
落ち着いたいい香り。今日いろいろいただいたメルローの中で、一番メルローっぽい香り。
口当たりはしっかり、酸味は適度。
よくこなれた苦味・渋味。コクのある味わい。
   「1新梢1房に収量制限した自社畑のメルロを100%使用。ステンレスタンク内で発酵後フレンチオーク樽にて11ヶ月熟成させました。」とのこと。
 

🍷トライアルシリーズ 東山ソーヴィニヨン・ブラン 2023 
トライアルシリーズ 東山ソーヴィニヨン・ブラン 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:サンサンワイナリー
葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン
葡萄産地:長野県塩尻市
ヴィンテージ:2023
香りフルーティ。口当たりはしっかり、酸味は適度。
   トライアルシリーズとは、気候変動などを考慮して少量ロットで試行するシリーズ。このSBは117本製造とか。

ワインを持ってきたところで、お料理も到着。

 *ハムサラダ
ハムサラダ

*オリーブ盛り
オリーブ盛り


*ワカサギのフリット
ワカサギのフリット


*窯焼きソーセージ
窯焼きソーセージ

   紙皿・使い捨ての木のフォーク等、ほとんどはそのまま処分出来るもので提供されていた。

 🍷サンサンエステート 柿沢メルロー セクションA 2017
柿沢メルロー セクションA 2017
種類:赤ワイン
ワイナリー:サンサンワイナリー
葡萄品種:メルロー
葡萄産地:長野県塩尻市
ヴィンテージ:2017
わりとさわやかな香り。口当たりはやわらか。酸味は適度。
軽い苦味・渋味に豊かな果実味。バランスがいいです。
 

🍷サンサンエステート 柿沢シャルドネ ネイキッド 2023
柿沢シャルドネ ネイキッド 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:サンサンワイナリー
葡萄品種:シャルドネ
葡萄産地:長野県塩尻市
ヴィンテージ:2023
ややフルーティな香り。口当たりもフルーティ。
酸味は控えめ。優しい果実味。
 

🍷トライアルシリーズ 片丘マルスラン 2023 
トライアルシリーズ 片丘マルスラン 2023
種類:赤ワイン
ワイナリー:サンサンワイナリー
葡萄品種:マルスラン
葡萄産地:長野県塩尻市
ヴィンテージ:2023
フルーティな優しい香り。少しだけ薬みたいなニュアンス。
口当たりはキリリとして、酸味がやや強め。
こなれた苦味でコクのある味わい。
サンサンで片丘と言えば吉江ヴィンヤードですよね。
裏ラベルに堂々記載がありました。


14時半から、ワイナリーツアーに参加して来ました。
ワイナリーツアー
 

サンサンの畑は標高850m、
ワイナリーツアー
標高高めで酸も高め、特に柿沢は収穫を10月までひっぱることが出来る。乳酸発酵をするのは、赤はほぼ全て、白はシャルドネ。

足高で大きなステンレスタンクはシャトーメルシャンよりも大きなもので、タンクの上方を歩く通路(キャットウォーク?!)があり、そこからタンクの上をあけて上澄みを澱引きするのだとか。
ワイナリーツアー
シャルドネ・メルロー・シラー等は木樽に入れるが、他はステンレスタンクで発酵。木樽に入れるのは7~12か月、シャトーサンサンシリーズ等。

木樽は昔は12万円くらいだったが、今は30万近く。
ワイナリーツアー
木樽は乾くと木が縮んで、隙間が空いて漏れるようになって使えなくなる。なので、葡萄果汁が入っていない時は樽全体をラップ巻きして湿った状態をキープし、何度も使えるよう手入れして保存している。

木樽は、225リットル樽で1カ月で5リットル減る。この規模で、補充分だけで2850リットル必要になる計算。「神様の取り分」というけれど、神様ってずいぶん酒好きなんだなあ。

2022vtからメルローは全て手除梗している。梗を除くと青臭さが無くなる傾向で、メルローの味が良くなり、売れるようになった!試飲に出した2017Aはまだ青みが残っていると。
最新vtのメルロー、買って来ればよかったかな。
 
醸造チームは5名、30歳前後。小ロットでトライアル、というのを最近多く作る傾向。

生産量は年間5万本ほど。2.4haの自社畑を持つ。ナイアガラ・コンコード等は買い葡萄をしている。最近は白系を増やす傾向で、ゲヴェルツトラミネール等を植えている。先が楽しみな。
 
吉江ヴィンヤードものも売っていて、我が家のセラーがいっぱいなのに、つい購入。内容は届いてから別途。

 サンサンワイナリーを終えたら、もうワインピクニック会場に寄る時間なくてそのままバスで駅へ戻りました。


食って飲んだ日:2025年5月17日



NAGANOワインの夕べ@塩尻2025/05/22

土砂降りだった塩尻ワインフェスタ、夕方に近くなって嘘のように雨が止んだ。

その日の夜、塩尻のえんぱーくホールで「NAGANOワインの夕べ ~ ドメーヌ・ヒロキ 横山弘樹さんをお迎えして ~」というワイン会に参加して来ました。
NAGANOワインの夕べ

ヒロキ会メニュー

NAGANOワインの夕べ

ライトやプロジェクター等の機材も用意されて結構大がかり、丸テーブルには4名ずつ着席するが、なんと一番前のセンターテーブルだった・・しかも同席の方は、乾杯の発声もされるミスワインの山本かれんさんと母上様?!シェフもあの方・・「ラ・メゾン・グルマンディーズ」オーナーシェフ 友森氏。
友森氏
すごいの呼んできたもんだ。

モットーは「飾らない料理」、ドメーヌ・ヒロキワインは「きれいな、浸透するワイン」という印象だとか・

・・・我が家にはハードル高過ぎな会だったワイ!!

 まずは泡で乾杯。
ミスワインの乾杯の発声で、会はスタートです。
 山本かれんさん
 

🍷スパークリング
スパークリング
種類:白スパークリング
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン、龍眼
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑、龍眼は安曇野市
ヴィンテージ:NV
色は淡い。
香りはさわやかフルーティ。
口当たりはやわらかなシュワ感。酸味は適度。
 

スパークリングに合わせるお料理は

*塩尻産アスパラのポタージュ(冷製)
アスパラのポタージュ
まずテーブルに置かれたのは抹茶茶碗。中には抹茶が。おやこれは?と思ったが、なんとこれは一皿めのスープでした! 

抹茶のようにいただきます。器に口を寄せていただくのは日本だけの文化なんだとか。素材の味を濃厚に感じていただきたく、ということでこの提供なのだとか。成程なのでした。


🍷シャルドネ・ヴェニュス 2022
シャルドネ・ヴェニュス 2022
種類:白ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:シャルドネ
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2022
香りやわらか。樽香あり。
口当たりまろやか、酸味は控えめ。やわらかな味わい。

   ヒロキ社長曰く「木樽熟成。だんだんバランスが良くなってきた」と。
 
シャルドネのお供は

*前菜盛り合わせ
前菜盛り合わせ
   信州アルプス牛、岩垂SPFポーク、イナゴのパテ 洗馬産ルバーヴとゴルゴンゾーラのプレス 信州サーモンのマリネ 信州福味鶏と山菜

 シャルドネ一杯でこの分量はちょっとアンバランス。
前菜盛り合わせとシャルドネ
・・・次と比べるとね。

次はソーヴィニヨンブラン飲み比べ

🍷ソーヴィニヨンブラン エレガント 2024
ソーヴィニヨンブラン エレガント 2024
種類:白ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2024
色はとてもクリア。キラキラ輝いているみたい。香りにちょっと癖あり。
口当たりまったり、酸味は適度。味わいは結構濃い果実味。

   ヒロキ社長曰く「早摘みと遅摘みをバランスよくブレンドしたヒロキSBの代表もの。乾燥酵母使用。2024年はいい年で、ソーヴィニヨンブランらしさが強く出ていて自分的には一番かと思っている」と。
 

🍷ソーヴィニヨンブラン ルヴェールソバージュ 2023
ソーヴィニヨンブラン ルヴェールソバージュ 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:ソーヴィニヨンブラン
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2023
香り爽やか。
口当たりはがっしり、少し苦みあり。酸味は適度。
硬派なコクの後味。

   ヒロキ社長曰く「野生酵母使用。2023年は旱魃に近い気候で心配した。」


 ソーブラ2杯
ソーブラ2杯
・右がエレガント、左がソバージュ
エレガントのキラキラが見えるかな
これに対して合わせるは、

*塩尻野菜のテリーヌ
塩尻野菜のテリーヌ
崩れやすくて、大皿からの取り分けに皆さん苦戦。

*パン
パン
香りが良くておいしい。どのパン屋さんか教えてもらえればよかったなあ。
 
さて、いよいよ赤ワインの登場

🍷ルヴェ・デュ・ソレイユ 2020
ルヴェ・デュ・ソレイユ 2020
種類:赤ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:メルロー64%、カベルネソーヴィニヨン32%、プティヴェルドー4%
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2020
香りにはまだ若々しさがあるような。
口当たりはしっかり。少し舌に刺激あり。酸味は適度。
苦味・渋味・酸味がそれぞれまろやかでバランスがとれていて、濃厚なコクの味わいが大変結構。
ヒロキさんの、いわば出世作。
   ヒロキ社長曰く「様々な葡萄、新・旧樽をミックスしたもの。飲みやすく仕上がった」と。

 
🍷メルロー ジュピター 2020
メルロー ジュピター 2020
種類:赤ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:メルロー
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2020
まろやかな香り。口当たりやわらか。酸味は適度。
まろやかでコクのある味わい。

   ヒロキ社長曰く「ジュピターは年によって葡萄構成比は変えているが、出来ればメルロー100%でやりたい。」
カベソー入りの2021vtもおいしかったけどね。

赤2杯・
右がソレイユ、左がジュピター
右がソレイユ、左がジュピター

合わせるはお魚料理。 

*平目の白ワイン蒸し ノムさんトマトと実山椒のクリームソース
平目の白ワイン蒸し
   オレンジ色のソース、まるでビスクソースのような。

 
さあ、ラスト

🍷プティ・ヴェルドー ユラニュス 2022
プティ・ヴェルドー ユラニュス 2022
種類:赤ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:プティ・ヴェルドー
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2022
なんだか少し花のようなニュアンスのある香り。赤ワインにしては珍しいかな。
口当たりはなめらか。酸味は適度。酸っぱくないよ~
軽く甘みもたたえた濃いめの味わい。苦味渋味のバランスが良い。

   ヒロキ社長曰く「ユラニュスは天王星の意。プティヴェルドーは酸が高くブレンドに使うことが多いが、これは単独で。今後力を入れていきたいと思っている」と。
どんどん力を入れてほしいにゃ。
 

🍷カベルネ・ソーヴィニヨン マルス 2021
カベルネ・ソーヴィニヨン マルス 2021
種類:赤ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・ヒロキ
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニヨン
葡萄産地:長野県北安曇郡池田町自社畑
ヴィンテージ:2021
落ち着いた香りだが、香り高い。
口当たりは少し渋みにザラツキ感あり。
酸味は適度に存在しているようだが、味が濃いので目立たず、控えめに感じる。
軽く甘みのニュアンスもある、濃厚な味わい。

   ヒロキ社長曰く「マルスは2022年は作らなかった。」
ほしいのに買えなかったのは、このせいだったんですね。

ラストの赤2杯、
右がユラニュス、左がマルス。
右がユラニュス、左がマルス。
合わせる料理は真打登場

*信州イチボのロースト
信州イチボのロースト
 

弘樹社長のお話から
弘樹社長

・ワイナリーを始めるまで

  池田町が葡萄畑のために用意したが、葡萄農家が撤退したため放棄地になっていた土地があった。そこを引き受けてくれないかと打診があり、東京で就職していた社長が呼び戻され親子で始めることになった。町の全面協力があり、畑の造成もしてくれて、シャトー・メルシャンの契約農家からスタートした。

  池田町は土地を町が造成してくれるので、畑がつながり作業がとてもしやすい。離れていると非効率で大変。安曇野では耕作放棄地の伐根から始めなくてはならないくらいだから、池田町の取り組みはありがたい。そのため池田町では葡萄栽培の移住者が多い。

・樽の使用について

  焼き樽はバニラっぽい香りをつける。但し、1年後に急に強く樽香が出たりするし、樽負けしないように新旧樽のバランスも工夫している。樽はフランス製、かなり先に発注しないとならない。

  うちではソーヴィニヨンブランは焼いていない樽で、シャルドネは焼き樽で、というふうにしている。

・品種や酵母について

  ソーヴィニヨンブランは酵母・作り方の違い(樹齢も)でいろいろな顔があり、数種類いつも作っている。野生酵母は面白いが、再現性に疑問がありリスクが心配なので毎年は作っていない。ステンレスタンクが17個、今の他に品種はなかなか増やしにくい。コンクリートタンクはステンレスと比べて中がきれいに洗いにくいので導入しようとは思っていない。

  龍眼は好きで、乾杯スパークリングワインが無い時は龍眼を乾杯用に用意するようにしている。

  メルローは色がつきやすく、カベルネソーヴィニヨンに比べ管理もしやすい感じ。

・銘柄や味わい・ワインの内容など

自分と醸造家とソムリエさん(オーベルジュ・ラ・ヴィ・トランキーユの主)の3者で相談し、最終的には自分が決定を下す。



食って飲んだ日:2025年5月17日