ワインとチーズの講座 第8回 ― 2025/11/26
すっかり初冬の気配、本日のお題は「Zwaigelt ツヴァイゲルト」。
赤ワイン用の黒葡萄で、“ブラウアー・ツヴァイゲルト”、“ツヴァイゲルトレーベ”とも呼ばれる。
オーストリアが一番多く生産している品種。
“ザンクト・ラウレント”という気難しいオーストリア固有種と、“ブラウフレンキッシュ”(これもオーストリア中心の品種、日本ではレンベルガーと言われる)の交配種。1922年~栽培されている。
味わいは軽快~肉厚まで、土地の特性を反映しやすい品種。
タンニンは軽め、柔らか。色は濃いが酸味は比較的柔らかいと言われている。
冷涼な気候で栽培可能で、耐寒性があり、日本では東北~北海道で栽培されているが、気候変動の勢いで、今は北海道中心の栽培。長野県でも10年前は栽培されていたが、今は撤退している。
オーストリアワインの特徴は:
・スクリューキャップが多く、キャップ上部に国旗がデザインされている。
・オーガニック先進国。
本日のワインは5種。
左から
① と ②は、本場オーストリアのワイン。
③ ④ ⑤は、日本ワイン、北海道産のもの。特に⑤は高価で先生が”・・また赤字だわ・・“とつぶやく主原因になった模様。
① 🍷二グル ツヴァイゲルト ロゼ 2023
種類:ロゼワイン
ワイナリー:ヴァイングート・ニグル
葡萄品種:ツヴァイゲルト
葡萄産地:オーストリア国 クレムスタール
ヴィンテージ:2023
販売価格:3180円
きれいなロゼ色。
フルーティで落ち着いた香り。
まろやかな口当たりで酸味は適度。口当たりの後には、しっかりと味の乗ったドライ風味。
クレムスタールDACのなかで唯一ファルスタッフ5ツ星を獲得しているニグルは、以前までは収穫したブドウを協同組合に収めていましたが、1997年醸造学校を卒業した現当主のマーティン氏がワイナリーを設立。ワイナリーとしては新しいが、既に評価が高い。
② 🍷ユルチッチ ツヴァイゲルト 2021
種類:赤ワイン
ワイナリー:ユルチッチ
葡萄品種:ツヴァイゲルト
葡萄産地:オーストリア国 ニーダーエスタライヒ州
ヴィンテージ:2021
販売価格:3520円
香りはしっかり・・・これが正統ツヴァイ香なんでしょうか?
色は少し透き通った感があって、微妙に紫も乗っているようないないような・・・
酸味は適度。
口当たりは凛々しく、苦味、渋味は軽い。果実味はしっかり、キリリとした味わい。
のど越しにかけては少し苦みが勝つかな。
オーストリアでは中心的な産地の老舗の生産者。全てオーガニックの畑。”ジャムを食べているような風味“だとのこと。
③ 🍷ヨカワイナリー 余珀(よはく) ツヴァイゲルト 2023
種類:ロゼワイン
ワイナリー:ヨカワイナリー
葡萄品種:ツヴァイゲルト
葡萄産地:北海道余市郡余市町
ヴィンテージ:2023
販売価格:4200円
色は薄い。オレンジかロゼかという感じ。
少しこもった感のある、泡っぽい香り。
口当たりは落ち着いた感じ。酸味は控えめ。
軽やかながら、うまみのある味わい。
のど越しに少し苦みのアクセント。
ヨカワイナリーの主は18年の銀行勤務の後、余市へ移住して木村農園で1年栽培を学び、10Rワイナリーで4年醸造を学んだ、ブルースチルドレンの一人。2023年より自家醸造開始(これがファーストヴィンテージ?)。生産品種はケルナー、シャルドネ、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・ノワールのみ。
今回は余市登地区の匠が育てた健全なツヴァイゲルトを使用。ツヴァイゲルトの荒々しいタンニンを抽出しないように、醸さずに全房でゆっくり優しくプレス。少しでも苦みが出た時点でプレスを止め、結果的に搾汁率はかなり低め。ツヴァイゲルトのブラン・ド・ノワールをイメージしていましたが、ブランにはならず薄いロゼに。 新樽に6ヶ月間入れても樽負けせずに、ツヴァイゲルトの果実感とほのかな苦みが調和して、スルスル飲めるツヴァイゲルトに仕上がりました。一方で、タンニンを遠ざける仕込みをしたせいか、酸化しやすい特性もあるので、早めに飲み干していただくのがお勧めです。・・・とのこと。
④ 🍷 こことあるシリーズ ツヴァイゲルト 2021
種類:赤ワイン
ワイナリー:ココ・ファームワイナリー (10Rワイナリー )
葡萄品種:ツヴァイゲルト
葡萄産地:北海道余市郡余市町 小西農園・中川農園
ヴィンテージ:2021
販売価格:4100円
少し紫がかった色合い。じわっとくる香り。
酸味は適度。10Rにしては酸っぱくないという印象。
穏やかな苦味渋味があいまって、のど越しのコクは十分、グッときました。
飲みごたえあり。
小西・中川両農園の葡萄を野生酵母で醗酵・(古樽アメリカンオーク 20%、新樽フレンチオーク 10%、古樽フレンチオーク 70%)で熟成とのこと。
こことあるシリーズは、10Rワイナリーが北海道の葡萄で造ったワインを、ココ・ファームが販売をしている銘柄。
⑤ 🍷モンティーユ 探 ツヴァイゲルト 2022
種類:赤ワイン
ワイナリー:ド・モンテイーユ &北海道
葡萄品種:ツヴァイゲルト
葡萄産地:北海道余市郡余市町
ヴィンテージ:2022
販売価格:7480円
色は先の10Rと同等くらいかな。
赤ワインとしてはフルーティで、少し酸味を予感させる香り。
口当たりは濃くまろやか。酸味は適度~やや控えめ程度。香りからの予感ははずれたような。
苦味、渋味はあるにはあるが控えめ。柔らかく、奥行きのある味わい。のど越しのコクも十分。
ドメーヌ・ド・モンティーユ ( Domaine de Montille)は、フランスのブルゴーニュにある300年の歴史を持つ家族経営のワイナリーで、最も古いワイン生産者のひとり。現当主であるエティエンヌ・ド・モンティーユ (Etienne de Montille)は、日本産ワインの質の高さと多様性、日本に於けるブドウ栽培の可能性、また北海道の気候がピノ・ノワールとシャルドネに合うことを確信し、2016年、外国のワイン生産者として日本で最初のブドウ園として「ド・モンティーユ&北海道」プロジェクトを立ち上げる。
ケルナー、ツヴァイゲルト、ピノ・ノワールがメイン品種。2023年ワイナリー竣工。これは余市の生産者からの買い葡萄で醸造したもの。ブルース氏ともコラボし、レストランも開く等、意欲的に事業を拡大中。
5杯並びました
本日のチーズ:
1. 大地のほっぺ・・・ 北海道 牛乳チーズ (白いほう)
2. グラッド ・・・ ノルウェー 牛乳チーズ
飲んで食った日:2025年11月18日
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://tanusan.asablo.jp/blog/2025/11/26/9819807/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。









コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。