チーズとワインの講座 第3回 ― 2025/06/23
チーズとワインの講座、その3回目。 本日の品種はゲヴュルツトラミネール。
ゲヴュルツトラミネールは、黒葡萄ではなく、灰色(グリ)ので、果実皮がピンク~灰色がかった色合いの葡萄。甲州、龍眼、ピノグリ等がこれに当たる。
“ゲヴュルツ”は、スパイスの意。サヴァニアンの突然変異から生まれた品種。一番の特徴は、ライチのような香り。基本、渋味無し。
ヴィオニエも、杏や桃等の果実香に例えられるが、ライチに一番近いのはこのゲヴュルツトラミネール。
この特徴的な香りで、日本の長野県ではフィールドブレンドのアクセントのひとつとして用いられることが多い。
主な産地は、ドイツ オーストリア フランス(特にアルザス地方)、イタリア等。
アルザス地方は粘土質土壌でゲヴュルツトラミネールに特に適しており、極甘口やスパークリングワインにして提供している。高価だが・・!!
🍷ハイヴ&ハニー ゲヴュルツトラミネール 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:シャイド ファミリー ワインズ
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール (100%)
葡萄産地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州 AVAモントレー
ヴィンテージ:2023
販売金額:2079円
うーみゅ、なるほど、ゲヴェルツ香。
口当たりは軽い甘みで、甘酸っぱい感じ。酸味は適度。
華やかな感じの果実味。
「ステンレスタンクで低温発酵。若干酸強め。」なんだそうです。
🍷カミーユ・ブラウン ゲヴュルツトラミネール ユフォルツ 2022
種類:白ワイン
ワイナリー:ドメーヌ・カミーユ・ブラウン
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール (100%)
葡萄産地:フランス国 AOCアルザス
ヴィンテージ:2022
販売金額:3130円
ゲヴェルツ香は感じません。ちょっと変な、犬小屋みたいな匂い。シュールリーだそうですがその影響かな。
口当たりはきりり。酸味はやや控えめ。苦味があり、少し重い感じ。
時間が経ってぬるくなったら、苦味パワーアップ。
「ステンレスタンク、重めな香り。飲み終えたら心地よい苦みが残る。」・・・なんだそうです。
🍷ドップ・オ・ムーラン ゲヴュルツトラミネール テール・エピセ 2020
種類:白ワイン
ワイナリー:ドップ・オ・ムーラン
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール (100%)
葡萄産地:フランス国 AOCアルザス
ヴィンテージ:2020
販売金額:2880円
ゲヴェルツ香だが、最初のハイヴ&ハニーよりはあっさりめ。
口当たりはきりり。酸味は適度。
やわらかな味わいで、軽い苦みあり。微妙に甘味もあるかなぁ。
「大きく、有名な生産者。アルザスワインは細長い瓶に詰められていますが、この形の瓶は1913年にジュリアン・ドップ氏がアルザスワインであるということを人々に見分けさせるために発案し、1972年に慣例化されました。また、彼はシャンパーニュ製法をアルザスワインに適用し、クレマン ダルザスを開発するなど、アルザスワインの発展に大きく貢献しました。」んだそうです。
🍷鶴沼 ゲヴュルツトラミネール 2021
種類:白ワイン
ワイナリー:北海道ワイン
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール (100%)
葡萄産地:北海道浦臼町鶴沼
ヴィンテージ:2021
販売金額:2992円
うーみゅ。しっかりライチ香。
口当たりはやわらか。酸味は適度。
甘味は無く、ドライな味わい。だけれども、果実味は豊か。
「ワイン専業としては日本最大のワイナリー。これは2025国際コンクール受賞作。ドライ仕立て。」とのこと。
🍷ヤルデン ゲヴュルツトラミネール 2023
種類:白ワイン
ワイナリー:ゴラン・ハイツ・ワイナリー
葡萄品種:ゲヴュルツトラミネール (100%)
葡萄産地:イスラエル国 ゴラン高原
ヴィンテージ:2023
販売金額:3200円
香りはライチっぽさ無し。しいて言えば蜜柑みたい。・・・梅酒みたい?
口当たりはやわらか。酸味は適度。
甘味は無く、かすかに苦味あり。
上の鶴沼の次にドライな味わい。
「イスラエルの最大の大手生産者。いろいろなものを単一品種で出している。賞狙いも積極的。」だそうです。
5種類揃いました。
合わせるチーズは、
(白色)チーズ工房カプレット(長野県、椀子ヴィンヤード近く)のファルカデイーレという山羊チーズ、
(オレンジ色)アメリカ、牛乳のハードタイプのレッドチェダーチーズ。
先生のお話から・・・
・今回のゲヴュルツトラミネールは、北海道のものを除いて、全てフルート瓶と言われるシュッとした形状の瓶に入っていた。ゲヴュルツトラミネールはこのフルート型の瓶に、というのが海外では一般的(日本はコストの問題で・・)その由来はドップ・オ・ムーランの項を。
・欧米等海外のゲヴュルツトラミネールが日本で流通し始めたのはここ数年くらい。以前は殆ど出回らなかった。
・カミーユ・ブラウンのワインで感じた苦味は、チーズでもある意味共通。味を引き立てるが、アルコールを飲まない人には不快な味に感じることもあるとか。斎藤先生も販売したチーズ(ボスケソチーズだった!)に関して苦情を言われたことがあったと。
・ちなみにチーズ協会のお勧めは、ゲヴュルツトラミネール ⇔ アルザスのマンステールという、ウオッシュチーズのうんと強めなもの。
・・・だそうです。
日本のゲヴェルツと日本のウオッシュチーズを合わせてみようかな。
ところで
このブドウの品種:Gewürztraminerの読み方、みんな「ゲヴェルツトラミネール」って読んでますよね。会の先生も「ゲヴェルツ」って言ってたし・・・・でも、テキストのカタカナ表記はどこを見ても「ゲヴュルツトラミネール」になってる。なので表記は大勢に従いましたが・・・なんだか腑に落ちない。
確かに、「ゲヴュルツ」は発音しにくいけど。
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