信州高山村の新しき生産者たち@銀座nagano ― 2024/04/07
ワイン用ぶどう産地として近年注目を集める「信州高山村」
今回は高山村に一番最初に設立された人気ワイナリー「カンティーナ・リエゾー」のオーナー醸造家・湯本さんと、現在委託醸造されている「Rave de Vin」の春日さんをお迎えし、2社6種類のワインと共に、高山村の可能性について語っていただこう、という趣旨の会が銀座naganoで開かれました。
いつもの会場で
試飲ワインの販売もありまして。
まずは、信州高山村の紹介から。
高山村は、村内に8つの源泉(山田温泉など)があり、それぞれ泉質が違い、土壌も少しずつ異なっている。
東京と気候を比べると、最高気温はあまり差がないものの最低気温は低くて、寒暖差は約3.5℃と大きい。また、降水量も比較すると少なく湿度も低いので、これが葡萄栽培に適した環境を生み出していると言える、とのこと。
高山村では以前から葡萄栽培に定評のある生産者がいて、2006年に高山村ワインブドウ研究会が発足、2011年に日本で2番目のワイン特区(最低量6000L → 2000Lへ緩和)認定、2015年に第1号としてカンティーナ・リエゾーが設立された。・・・・・
席には予告通り、○が6個並んだ案内シートが。
リエゾーさん4・レーヴドヴァンさん2の提供。途中からおつまみチーズプレートが登場。
以前イベントにいらした開田高原アイスクリーム工房とアトリエドフロマージュのチーズにパンを添えて。ありがたや。
ワイナリーの方のお話に伴って、ワインも順に出されます。
まずはカンティーナ・リエゾーさんから。
カンティーナ・リエゾーは、現在7000L(約9300本)を生産し、特区から通常免許に移行している。
全てノンフィルターで製造し、かすむ程度の薄にごりが残るものもある。野生酵母は魅力的ではあるが品質が安定せず、発酵をコントロールすることも難しいので、専ら乾燥酵母を使用しているとのこと。
いわゆる自然派とか、ナチュールとかひとくくりにされるのは本意じゃないようで。
バルベーラは、長く栽培していても今までに良く出来たのは1,2回程度。アリアニコに比べとても難しい。熟す前に紅葉してしまうので、赤でなく白にすることもあるくらい。
高山村のシャルドネは、他の産地と比べても高いポテンシャルを持っている。やはり今後力を入れていくのはココだと思っている。(湯本さんは、ソーヴィニヨンブランはあまりお好きじゃないそうで)
NO.1 RIEZO SPUMANTE 2022 PINOT NERO
種類:スパークリングワイン
ワイナリー:カンティーナ・リエゾー
葡萄品種:ピノノワール
葡萄産地:信州高山村
ヴィンテージ:2022
最初は泡。微妙にピンクがかった色合いで、にごりがありますね。味わいはドライですっきり。
シャルドネが出てきて比べたら、なんだかピノっぽい風味を感じました。
湯本さんいわく、ピノノワールという栽培が難しい品種を、あえて赤までもっていかず、雨にやられる前に収穫してスパークリングにすることで良さをひきだせたのではないかと思っている。瓶内二次発酵用に少量砂糖を追加、通常スパークリングワインでは行なうデゴルジュマンをしておらず、澱を排出していないので濁りがある造り。
NO.2 RIEZO BIANCO 2023 CHARDONNAY
種類:白ワイン
ワイナリー:カンティーナ・リエゾー
葡萄品種:シャルドネ
葡萄産地:信州高山村
ヴィンテージ:2023
引き締まった香り。適度な酸味で、きりっとさわやかな果実味。軽い苦みがアクセント。
本日はリリース前の先行提供。2024年4月中旬発売予定で、まだ本格的にはボトリングもしていない段階。今日の分だけ瓶詰めしてもってきた。亜硫酸添加無し。
NO.3 RIEZO ROSSO 2021 AGLIANICO
種類:赤ワイン
ワイナリー:カンティーナ・リエゾー
葡萄品種:アリアニコ
葡萄産地:信州高山村(自社畑ではない)
ヴィンテージ:2021
少しやんちゃな感じのフルーティーな香り。少々酸味有、苦味も感じる口当たり。
キュッとした味わいの後口に辛みのような刺激。
まさしくリエゾーさんの赤ワイン、という印象の風味です。
NO.4 RIEZO ROSSO 2021 MERLOT Numero Due
種類:赤ワイン
ワイナリー:カンティーナ・リエゾー
葡萄品種:メルロー
葡萄産地:信州高山村
ヴィンテージ:2021
まろやかなメルローっぽい香り。
酸味は適度で、比較的穏やかな味わい。まろやかでうまみも感じます。
上のアリアニコと比べるとずいぶん酸味控えめで、これまでのリエゾーさんの印象とは少し違うような。
Numero Dueはイタリア語でNo.2の意味。出来映えの順位ではなくて、畑の2列目、の意味でつけたとのこと。1列目とは場所だけじゃなくて、台木が違うんだそうで。いつもは一緒にするんだけれど、2021は1列目と違いが出ていて面白いな~と思ったのであえて別々に造ってみたんだそうです。1列目もNumero Unoとして販売中。湯本さんは2列目の方が好きだそうです。
リエゾーさんのワインそろい踏み
続いてレーヴ・ド・ヴァンさん
Rave de Vin(ワインの夢)は、東京在住の春日さんが好きで始めたヴィンヤード。 信州高山ワイナリーの一員で、葡萄の多くはこちらに出荷しているが、2021年からリエゾーで委託醸造を始め、独自ブランドとして販売を開始。現在5種(シャルドネ・SB・メルロー・カベルネソーヴィニヨン・ピノノワール)を植えているが、次はカベルネフランか?と思っているそうです。
自社畑の周囲はメルシャン契約畑のキュベ・アキオや小布施ワイナリーの畑であり、土地のポテンシャルは無限大だと感じているとのこと。スゲー所に畑がありますねえ。
NO.5 Rave de Vin シャルドネ 2022
種類:白ワイン
ワイナリー:Rave de Vin
葡萄品種:シャルドネ
葡萄産地:信州高山村
ヴィンテージ:2022
シャープな良い香り。芳香と言っていい。
キリっとした適度な酸味。クリアで切れのあるドライな味わい。
この芳香、乳酸系の香りなんだそうで。特に何もしてはいないのだが、醸している時からヤクルトの匂いがしていたと湯本さんから言われたと。
NO.6 Rave de Vin シャルドネ 2022 樽熟成
種類:白ワイン
ワイナリー:Rave de Vin
葡萄品種:シャルドネ
葡萄産地:信州高山村
ヴィンテージ:2022
甘さを感じる、これは樽香のようで。柔らかな酸味。ふくらみのある味わいで、おいしいです。同じ人の造った、多分同じ畑のシャルドネで、樽の有無でこんなに違うんだね。
このシャルドネ樽、何と本日リリース!
ワイン6杯揃いました。
最後に、試飲ワインのボトルが整列。
本日は特別に、お買い上げのボトルにサインしてくださるとのことで、1本づつ買って帰りました。
飲んだ日:2024年3月31日
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